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1 CPU電源用コンバータの電流検出
CPU電源の動向  
   CPUの高速化に伴い、低電圧、大電流化が進んでいます。デスクトップでは40〜60A、ノートパソコンでも20Aを越える電流が必要になってきました。 CPU電源の動向

電流検出用低抵抗器の動向  
   DC/DCコンバータのスイッチング電流が大きくなったため、電流検出用抵抗器の抵抗値は非常に小さくなっており、2mΩ以下の場合もあります。
  mΩオーダーの抵抗器の選定、使用にあたっては、通常の抵抗値とは違った注意が必要になります。
電流検出用低抵抗器の動向
  抵抗値が下がると…
「通過電流に正確に比例した電圧を発生させる」というごく当たり前のことが、スイッチング周波数 数100kHzでも困難になります。

(1)インダクタンスを極力小さく

 抵抗器の寄生インダクタンスは通常nHオーダーなので、数100kHzのスイッチングでは無視できる値です。しかし、抵抗値が極端に小さいため、僅かなインダクタンスが相対的に大きな検出誤差を与えます。
 
インダクタンスによる誤差の例
 一例を下図に示します。例では抵抗器の寄生インダクタンスを1nHとしてあります。

インダクタンスによる誤差の例
 
トリミングが電流経路を変化させる
 抵抗器は抵抗値調整のためにスリット状に切り欠きを施します。これが電流分布に粗密な部分を作り出し、部分的な発熱を引き起こします。
 部分的な発熱は電流経路を変化させ、抵抗器全体の電流対抵抗値の直線性を悪化させると考えられます。

トリミングが電流経路を変化させる
  (2)抵抗率が均一な抵抗体が必要
 電流経路を不均一にする原因は、トリミングラインだけではありません。抵抗体と電極の接合部分にボイドなどが生じると、そこでも電流経路は不均一となってしまいます。

インダクタンスのバラツキが大きいと…
 インダクタンスの影響はある程度フィルターで押さえ込むこともできます。しかし、寄生インダクタンスがバラツクと検出誤差もバラツキます。下図は起こりうる検出バラツキのシミュレーション例です。
  インダクタンスばらつきの最大時の波形
  インダクタンスばらつきの最小時の波形
  (3)電極内の電位が一定であること
 超低抵抗器では、電極部分の抵抗率と、抵抗体部分の抵抗率の比が数10倍しかありません。電極部分が薄いと、抵抗体の電位分布が電極に影響を及ぼし、電極内に電位差が現れてしまいます。
 これは、電圧を電極のどの位置から取り出すかにより、抵抗値が変化することを意味します。
  電極内の電位が一定であること
  電流検出用低抵抗器に求められる性能
 以上より、大電流高速スイッチング回路の電流検出用抵抗器を選定するにあたっては、
(1) インダクタンスと、そのバラツキが小さい抵抗器を使用する。
(2) 抵抗体、電極が極力均一な構造になっている抵抗器を使用する。
(3) 電極内電位差の小さな抵抗器を使用する。
の3点があげられます。

抵抗器内の電流経路を均一にする

 上記の条件の多くは、抵抗器内の電流経路の不均一部分を徹底的に取り除くことによって得られます。
  このようなコンセプトの基に開発されたのが弊社の金属板チップ形低抵抗器TLRです。

TLRの構造
 具体的な構造を図に示します。TLRはこの構造をとることにより、CPU電源用DC/DCコンバータの電流検出に適した性能を獲得しています。
  抵抗器TLRの構造
  その他の着眼点
 CPU電源用DC/DCコンバータの電流検出用抵抗器を使用するにあたっては、この他に、
(1)多相化、共通出力ノードで使用する場合の相間検出バラツキ
(2)電流パッド・電圧パターン設計上の配慮
(3)放熱経路の確保
(4)検出誤差を最小にするフィルターの入れ方などを考慮する必要があります。
  電流検出用抵抗器 TLR  
   
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