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1 抵抗器
 抵抗器、英語ではResistor、 ドイツ語ではWiderstand、いずれも「逆らう」;という意味であり電流を流れにくくする働きを指す。しかし電流を電圧に変換する働きや、電気エネルギーを熱に変換するトランスデューサ、分圧・分流機能、余分なものを熱にするという積極的な働きもあるのにこのニュアンスは含まれない。抵抗器とは多様な機能のほんの一面を指す言葉である。
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2 抵抗の単位はΩである
 電気の単位はVoltのV、 AmpeareのAなど縁の人名の頭文字を当てることになっている。Ohmの場合は頭文字オーとゼロの区別がややこしいから使いにくい。そこでギリシャ文字を使う。ギリシャ文字には短いオと、長くのばして発音するオーと2つの文字がある。前者はO(オ・ミクロン)、後者はアルファベットの最後Ω(オ・メガ)である。「Ω」は普段オメガと意味を考えずに続けて発音するが、メガはミクロンの対比で長くのばすという形容詞である。従ってOhm さんのギリシャ語表記は Ωm となり、抵抗の単位は「Ω」になっている。
 そこで改めて「Ω」という文字をみると「O」に似ている。もし現在のデザイナーに「O」を与え、伸ばして読む文字を創作させたら、「O」の下を切り、グイッと広げ、倒れないよう飾りの足をつけるのではないか?? そう考えると「Ω」は何と優れたデザインではないか。
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3 チップ抵抗が90%!
 抵抗器にはいろいろなタイプがある。電力用、高電圧用など特殊なものは残るものの汎用抵抗器は1995年に87%、2000年以降は90%以上がチップ抵抗器になった。チップ抵抗器が年々増え続けるのに対して、その他の抵抗器がほぼ一定で変わらないからである。固定抵抗器の年間生産数量は経済産業省生産動態統計によると1997年以降チップ抵抗だけでも2,000億個/年を超えている。
 しばらく前までリード付きの抵抗をスルーホール基板にインサートして実装するのが普通であった。その後、半導体の省エネと小型化によりプリント配線板の高密度実装が可能となり、ポータブル機器の小型軽量化が進んだ。受動部品もチップタイプが主流となる中、抵抗器は常に軽薄短小部品の最先端を走り続けてきた。「1608(1.6x0.8mm)」から「1005(1.0x0.5mm)」へ、最近では「0603」サイズが多用されるようになってきた。そして究極のサイズ「0402」が実用化される日も近い。KOA株式会社では早々と「0402」チップの実用化に目処をつけた。近い将来主流のチップサイズとして量産されるかもしれない。
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4 温度係数と熱暴走
 抵抗の温度係数は回路や機器の設計指針に影響する大切な要素である。
 純金属では電子が結晶格子に衝突しながら進む。温度が高くなると格子振動が盛んになり抵抗は増加する。従って正の温度係数を持つ。照明に使われる電球の明るさは大略消費電力に比例し(電圧)x(電流)である。そこで、もしフィラメント抵抗が温度に対して不変なら、印加電圧が10%変化すると電流も同率だけ変化し、明るさは約20%変化することになる。しかし、実際にはフィラメントは非線形性が大きく(抵抗の温度係数が大きく)過大電圧がかかっても抵抗値が自ら大きくなって電流増大を妨げ、逆に電圧が下がっても温度が下がるので抵抗も下がって電流減少を妨げる。つまり明るさを一定に保つよう若干のフィードバックがかかるようにできている。
 この電球を定電流駆動で点灯させたとしたらどうなるのだろう。温度の上昇と共に抵抗が増え、発熱量が増えるので更に抵抗が増えるという正帰還になり、フィラメントはただちに焼ききれる。反対に、抵抗値が負の温度係数を持つサーミスタあるいはダイオードに定電圧を印加したら、定格を守らないと電流が熱暴走で増加し続ける。
 非線形のものには注意がいる。正の温度係数の素子は定電圧駆動、負の温度係数のものは定電流駆動が原則である。
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5 高密度抵抗器
 抵抗器をいちばん高密度に集積したものは何であろうか。
一つにはチップネットワーク抵抗器がある。セラミック基板の上に数個から数十個の抵抗を印刷して内部接続したもの。たくさんのチップを使うデジタル線路のプルアップ・プルダウンには実装面積と実装工数の削減に有用な部品である。さらに、パッケージ形状をBGA (Ball Grid Array)にして実装密度を高めた商品もある。LSIパッケージとの相性が良いからVMEやPCIなどマイコン機器のバスライン終端用に適している。
 さて、見方を変えるともう一つのチャンピオンはサーマルヘッドであろう。ファクシミリでは1mmあたり8素子の抵抗発熱体があり、B4サイズなら25cm分並んでいる。さらに倍密度(16dot/mm)でA0サイズ用の継ぎ目無しヘッドもあるので、優に10000素子を超える抵抗体が集積されている。
 抵抗器というものは単体チップから巨大集積までずいぶんと幅広い形態があるものである。
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6 標準器の維持
 KOA株式会社の信頼性センター(伊那市)では低抵抗から高抵抗に至るまで各レンジで標準器を維持している。維持とは単によい物を購入して持っているということではない。定期的に国公立機関(例えば日本品質機構)で較正し、いかに変動が少ないかという証書を長期間に亙ってファイルし続ける活動である。当社は2.5ppmという最高の標準器を維持しておりこれを基準に工場の試験装置を較正している。工場での測定値は当社標準器、国家標準をへて世界標準(IEC)へ繋がっている。このつながりをトレーサビリテイという。
 標準器は23℃の油槽で油に浸して保存している。温度を一定にするため攪拌するのであるが、するとジュール熱が出るので同時に冷却する。油槽は比熱が大きいので停電になっても温度が急変することはないからである。一度でも温度が変わるとヒステリシスが加わって精度が落ちるからである。
 当社は抵抗のほか、M・K・Sについてもトレーサビリティを確保している。
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